2019年1月

トップ >  2019年1月

賃貸住宅における賃貸借契約(極度額に関する参考資料)

2019/01/28 ブログ

先週、賃貸住宅の賃貸借契約に係る研修会があったため、愛知県司法書士会の所属委員会より派遣され、参加してきました。

テーマは「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」「賃貸住宅標準契約書(H30.3版)」「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(改定版)」の各解説、最後にグループ討議という内容でした。

その中で、今後、新たに問題となってくるであろう部分として、民法改正(H29改正、H32.4.1施行)を踏まえて、個人の根保証に関しては極度額を限度として責任を負うことになるため(改正民法465条の2第1項及び2項)、住宅の賃貸借契約に基づく賃料や損害賠償債務等を保証する連帯保証人においても、極度額の適用がなされることになります。

具体的には、改正民法施行後、賃貸借契約を締結する際に、連帯保証人となる方は極度額の範囲内においてのみ(例:極度額金○○万円)その責任を負担することになるわけですが、はたして一体いくらの範囲の金額が妥当なのか、という問題が生じることになります。言うなれば、改正法施行前においては、連帯保証人は原則として賃借人が負う金銭債務(例:滞納家賃や原状回復費用)を、いわば青天井で負担せねばならなかったところ、改正法により一定の制限が加わるということになります。もちろん、極度額の設定においては、契約当事者間において充分な協議が行われることが求められますが、昨年3月に、国交省より非常に有益な資料が提供されています。

http://www.mlit.go.jp/common/001227824.pdf

詳細は上記資料に譲るとして、賃料を概ね4万ごとに区切りを付けて、その損害額の統計を取っており(例:賃料8万~12万の物件の損害額のケース、平均値50万、中央値35.6万等)概ね賃料の約半年分の損害額が多いように思われますが、反面、裁判所の判決における連帯保証人の負担額の調査結果からは、平均で家賃の13.2ヶ月分という数字も出ています。

いずれにしても、極度額の設定については、今後の実務慣習を待たねばならないところが多くあるでしょうが、改正民法の影響が、実生活において色濃くでるであろう一面と言えます。

弊事務所も賃貸借にかかわる原状回復や敷金保証金の問題、明渡し請求等、比較的ご相談に応じることが多く、今後の実務の動きを注視しているところでもあります。

 


新年のご挨拶:2019

2019/01/10 ブログ

新年明けましておめでとうございます。

早いもので、今年もはや10日が過ぎてしまいました。今週から仕事始という方も多く、今年も本格的な始動というところでしょうか。

そんな訳で、毎年恒例にしております、昨年(H30年)のmy 書評ベスト3(①法律書②新書③その他)を挙げてみたいと思います。

①「新訂 設問解説 相続登記と法」:日本加除出版(幸良秋夫著)

相続登記を解説する名著による改正相続法も網羅した内容での新訂版。司法書士の目線から、相続登記でこの一冊と言えば、間違いなくこの書籍といえるでしょう。余すところなく解説されています。

https://www.kajo.co.jp/book/40305000003.html

②「目のみえない人は世界をどう見ているのか」:光分社(伊藤亜紗著)

わたしたちがモノを見るとは?そんな観念を見えない世界から空間、感覚、運動、言葉、ユーモアを通して迫ります。また「みえるとかみないとか」:アリス館(ヨシダシンスケ/伊藤亜紗著)こちらの絵本もおすすめです。

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334038540

③「〆切本」:左右社(夏目漱石他全90人著)

〆切、それはどんな仕事(試験・勉強などにも、例:夏休みの宿題)にもあるもの・・・〆切があるから頑張れるのか、しかし苦しい、そんな誰もが持つ悩みを、夏目漱石、川端康成、太宰治、手塚治虫、星新一、谷川俊太郎、村上春樹、藤子不二雄A、吉本ばなな他総勢90人からなる作家による、〆切にまつわる魂の叫び!誰もが楽しめる一冊です(「〆切本2」もあります)。

http://sayusha.com/catalog/books/p9784865281538c0095

本年も、どうぞ、宜しくお願いいたします。