オンライン庁なのに登記済証が発行!?(改製不適合物件)
1) 不動産登記法が改正され(H17.3)、はや9年、順次、各地の法務局がオンライン庁に指定されることで、従来の「登記済証」(いわゆる「権利証」、以下「権利証」)ではなく、「登記識別情報通知」が新たに発行される、という取り扱いになっていきました。そして、すべての法務局がオンライン庁と指定(H20.6)されたことから、「権利証」は、もはや、発行されることはないものだ、という認識でいました。
2) しかし!、現在でも、「権利証」が、発行される場合があるのですね。
3) 「改製不適合物件」と言われるもので、何らかの理由で(例:重複地番等)、オンライン庁に指定された後でも、コンピューター化できない物件の登記申請をする場合に発生します。
4) 「改製不適合物件」を申請する場合の主な注意点は、
① オンライン申請ができない ⇒ 紙申請による
※ 登記研究第738号(平成21年8月号)の質疑応答。 〔要旨〕いわゆる改製不適合物件は、オンライン申請の対象とはならない。
※ また、法務省のオンライン登記申請のHPにもその旨の記載があります。(注)不動産登記規則附則第3条第1項ただし書に規定する「電子情報処理組織による取扱いに適合しない登記簿」(いわゆる「改製不適合の登記簿」)についての登記の申請は、オンライン申請をすることができません。
② 「登記識別情報通知」は発行されず、旧法による「権利証」が発行される。
⇒ 「権利証」が発行されることになるため、規則附則第15条第2項書面(「権利証」の発行の素材となる書面・・・例:申請書の写し等)の添付が必要。
③ オンラインで登記情報が取得できず、また、登記事項証明書も、管轄法務局でしか取得できない。さらに、登記要約書も取得できない(閲覧は可能)。
※ そのため、事前閲覧は、現地の法務局で確認することになります。・・・登記情報提供サービスが開始される前とほぼ同じ状況ですね。
※ なお、共同担保目録付で謄本を取得すると、従前の縦書き登記簿謄本と、コンピューター化された共担付(他物件がコンピューター化されているケース)という、とってもハイブリッドな感じのものがでてきます。
5) なんとも、ないないずくしな登記申請になる訳ですが、その内容は、不登法改正後~オンライン庁指定前の状況をイメージすれば、わかり易いかもしれません。
6) さらに、今回の申請は、2物件あり、内1物件のみ「改製不適合物件」であったため、ひとつの申請で、「権利証」&「登記識別情報通知」の両方が発行されるという、非常にレアなものとなりました(また、「登記完了証」も「改製不適合物件」では発行されません)。
◇ 登記や法律、というのは人が作った制度ともいえるので、改正当初は考えられなかった、こういったことも、起こり得るかもしれませんネ。
◇ 普段は、このブログでは、業務のことはあまり書いていないのですが、ちょっと、珍しかったため(はぐれメタル級か)、報告させていただきました。
