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数次相続の発生と相続登記(先例:平成29年3月30日法務省民二第237号)

2018/12/15 ブログ

数次相続とは、相続が発生したけれども、遺産分割協議をしない(できない)まま、さらに新たな相続が発生し、登記名義の変更がなされないことをいいます(数世代前の登記名義のままの状態)。

言い換えると、相続登記をしないまま、何世代にもわたり相続が発生してしまっており、この状態が、いわゆる所有者不明土地問題を発生させている原因のひとつにもなっています。

このような状況で、いざ、相続登記を行おうとすると、相続人が多数におよぶことがほとんどです(ケースによっては数十人~)。

この問題を解決するためには、まずは、権利関係を調査することから始まり(相続人の調査)、また、次に、相続人全員の合意形成(遺産分割協議の成立等)が必要となるわけですが、無事、どなたかが取得することになった場合でも、次に、相続登記のあり方が問題となります。

よく知られた先例(昭和30年12月16日付民事甲第2670号民事局長通達)では、中間の取得者が単独であれば、現在の登記名義人より直接、相続登記可能ではありますが、中間の相続の取得者が単独であったか否か必ずしも明白ではない場合に、果たしてどうなるのだろうか?という問題がありました。

そこで、新たな先例(平成29年3月30日法務省民二第237号)により、相続人全員の署名押印があれば、中間の相続の取得者が単独であったか否か必ずしも明白ではない場合であっても、直接の相続登記が可能となります(=要は、一件の申請で可能)。

おそらくは、最終的な取得者が決まっており、相続人全員の合意形成ができているのであれば、黙示的に中間者が単独で取得したであろうという推認がはたらく、という理解になろうかと考えられます。

もちろん、相続人調査ができたうえで、その全員からの署名押印を取得するという、実体面においての困難さがあるのですが、相続登記という手続き面においては、制度的に相続登記を促進するためにも、法務省側も、従来の先例から一歩踏み込むような形で新たな先例をだしているように思われます。